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緊急の呼び出しに備える自宅待機の扱い


2009年9月29日

顧問先で毎月行うことにしている勉強会において出たテーマです。

 

土・日にサービスを開始したが、平日ほどの業務量があるわけではない。

システムトラブルに対応するのに、出勤して備えるほどの必要があるわけではなく、かといって何かあったときに対応できないのは困るので、何かあったらリモートで対応できるよう自宅近くで待機してもらうことになった。

・「手待ち時間」に該当し、待機している時間も労働時間になるのでは?

・事業場外のみなし労働時間制を適用できるか?

・待機時間に対応する報酬を日宿直手当として支払い、一部非課税扱いにできるか?

 

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結論から言うと、この場合の自宅で待機している時間は「労働時間」には該当しません。

事業場において監督下におかえれているわけではなく、拘束もいわば観念的なものであり、その間テレビを見ていようが、雑誌を読んでいようが構わないからです。

 

・手待ち時間は、その間手を動かしている訳ではないが、事業場において次の作業が開始できるのを待っている時間なので該当せず。

 

・事業場外のみなし労働時間制も、そもそも労働をしている訳ではないので該当せず。

 

・日宿直は、事業場における「お留守番」なので、自宅で待機している場合はこれに該当せず。

 

 

そうは言っても自由気ままに外出できるわけではないので、社員には一定の負荷をかけます。

これに対してどのように報いればいいのでしょうか?

 

これを規定する法律はありませんが、一般的には行政通達により示された、宿日直の許可基準である「1日の平均賃金の3分の1程度」といったものを参考にするケースが多いようです。

 

もちろん、呼び出されて実際に労働した時間については、それに対応する賃金を支払わなければなりません。

 

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